2008年05月11日
僕が一人で羽田空港に泊まった理由・・・
静かになった空港。
わずかにリムジンバスたちが、駐車場に移動するのが見えるだけだ。
遠くには街の夜景。
どこか外に出歩いて散歩するところもない。
都内でも、少し珍しいホテルだろう。

日帰りで福岡に出張して、翌日は札幌。
最終便で戻って、出直して来るという手もあったが、ここのところの疲れを考えると・・・・・最終便で着いて、アパートの小さな部屋にたどり着くまで1時間とちょっと。モノレールに乗って、人の多い山手線に乗って、ターミナルで乗り換えて、そして数時間眠ったら、また満員の電車で羽田に戻る・・・・考えただけでぞっとする・・・
最終便で羽田に着いた客たちは、急ぎ足でそれぞれの家路に向かう。モノレールや京急やリムジンバス。喧騒の中を抜けて、どこか知らない国の空港にトランジットで着いた時のような孤独感を感じている。
ホテルのカフェで軽く夕食を済ませる。
アメリカンクラブハウスサンドとビール。
ターミナルの喧騒から、ドアを一つ入ると、静かな空間があって、異空間に入り込んだような気分がする。「フライヤーズテーブル」 という名前らしく、飛行機の模型が飾られた店内の窓際に席を取り、滑走路を走る飛行機と、遠くの東京タワーの小さな灯を眺めながら、一人の夕食。
福岡の件は、後輩だと信じて任せたのが失敗だった。あいつがちゃんとやってくれていたら、空港の中のホテルに一人泊まることなどなかっただろうに。最近は、仕事もプライベートも、どうも歯車がかみ合わない。
そんな風に格好をつけている自分自身を、一杯だけのビールで軽く酔った自分が笑う。
「ま、いいか。こんなところ、こんな風にくつろいでいる自分もいるし。」

部屋に戻り、窓のカーテンを開ける。
さっきまで各地から戻ってきた飛行機が、駐機場へ移動する灯りが見えていたが、今は静まり帰った暗い滑走路しか見えない。足元には、バス。時折、タクシーやトラックが通るだけで静かなものだ。
暗い滑走路の向こうには明るい街が見える。
午前零時。街はまだ喧騒で騒がしいだろうが、ここは別世界だ。
パソコンの電源を入れ、LANケーブルに繋いで、メールのチェックをする。
福岡空港のラウンジでもチェックをしたのだが、どうにもメールを開ける気がせずに放置したものが数通。公私共に・・・
数通だったはずが、数時間で、もう数通・・・・
福岡の件に関する後輩の謝罪・・・・いや、言い訳メール
同じく、その顛末の説明を求める部長からの叱責メール・・・だいたい、この人は、うまくいけば自分のおかげ、うまくいかなければ部下のせいだからな・・・
アシスタントからは新規案件の納期が遅れるという不幸のメール・・・くそ、直接言ってこないで、アシスタント通じて、言ってきやがった、開発部のヤロウ・・・
先月の交通費清算を早くしろという経理課からの督促メール・・・はいはい・・・
札幌支店からの会議次第とホテルの連絡メール・・・こちらの会議も荒れそうだな・・・
そして、一番厄介な・・・・・それは携帯に。
Re:.....
おつかれさまです。福岡から札幌って、日本列島横断ですね。がんばってください。ほんとうを言うと、今日くらいは会ってくれるのかと思っていました。お仕事忙しいのわかりますが、もう少し考えてください。でも、私のお誕生日はないですから、いいですけどね。 LINA
そう。
きっと、今日、羽田にいると言えば、無理してでもやってきただろう。
なのに、なんだかそこまで無理を言うのが・・・・
いや、そうじゃなくて、来られるのが面倒だったのだ。
忙しいせいもある。最近、会ったり話をしたりる機会が少なくて、もし、今日、やってきたら、はしゃぐ彼女のペースに気持ちが乱されると、そう思う自分がどこかにいて。
きっとそんなことを言えば、気持ちが離れてしまったのだろうと、大泣きされて、今晩、眠る暇も無くなるだろう。
そうじゃなくて、どうもこのところ、仕事もうまく流れないし、気持ちがすさんでいて、無邪気にお誕生日を祝おうという彼女と一緒にいたくないと・・・・
ああ、やっぱりダメだな。変に電話すると、喧嘩になりそうだ。
そんなことはありえないと電話口で泣かれると困る。
逢いたいのだけども、今は、逢いたくない。
逢うと、きっとほっとできるのだろうけれど、明日の仕事から逃げ出したくなりそう。
ちぐはぐで、わがままな自分の気持ちをもてあます。
Re:Re:.....
ごめんね。昨日言ったように、福岡支店のトラブルで予定外の出張だったので、こんなことになりました。明日、一番の飛行機で今度は札幌に飛びます。明後日には、東京に戻ります。お土産楽しみにしていてね。おやすみなさい。
窓の外は、静まり返っている。
ごめんね・・・

羽田エクセルホテル東急・・・羽田空港第二ターミナルに直結するホテル。コンパクトにまとまった都市型ホテルだが、窓からの光景は見慣れた空港のはずが、不思議とどこか違って見える。ホテル内のカフェ・レストラン「フライヤーズテーブル」は、60年代風のインテリアとディスプレイされている航空機が、かつての国際線空港のレストランの雰囲気を醸し出している。
写真は、ホテル客室から第一ターミナル方向を見たところ。右側に管制塔ビル。その左下にかすかにJAL機とスカイマーク機の尾翼が小さく見ています。方角的には、遠景は大田区から川崎市方面が見えているはずです。
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