2005年10月24日
警察博物館 〜 銀座
「あなたの行ったことのないとこがええなあ。」
どこへ行こうかと聞いた時の彼女の決まり文句。
「だって、誰かと行ったとこはいややし。」
突っ込むと、ちょっと機嫌が悪くなるから。
でもね、さすがにこの年齢になると、行ったことがなくて、
デートに合った気の利いた場所って、なかなか難しい。
銀座でデート。資生堂でお茶して、博品館と和光とアップルストアなんかをウインドショッピングして。
銀座通りの端まで歩いてきた。
そうそう、前から気になっていったんだけど、まだ入ったことないんだよね。だいたい、開いている時間には、なかなか通らないのだ。ここは。
「あ、ピーポくんや!」
なんだか、はしゃいだ彼女と向かうは、警察博物館。
入り口の白バイやヘリコプターの前では、子供たちが警察官の服装をして、記念写真を撮っている。
「うわー、いいな。俺もなりきり体験したい
」「私もぉ。そやけど、大人のは無いやん。」
「そりゃそうだ。着替えた途端に、走って逃げ出したりしたら、大変だ。」
「そんなことせえへんわ。」
入り口に座っているおじさんに、
「えっと、入ってもいいですか」
「はい、どうぞどうぞ。では、まず奥のエレベーターで四階まで上がって見てください。」
「へぇー。階級章とか、制服とか、結構、デザインが変わっているんやね。」
「あ、こんなのだったなあ、昔。」
さすがに警察に関する博物館で、華やかさはないけど、なかなか話は弾む。
「あ、これテレビで見た。浅間山荘事件のやつ。本物やん。」
「すごいな。」
歴史的には、この浅間山荘事件のほかに、二・二六事件で官邸を警備していて軍人に殺された警察官の遺品などもある。
そのほかにも、殉職した警察官の遺品などが飾られていて、息を呑む。
ぐるりと見て回って、一階に下りてくると、お土産売り場があって、ここでしか買えないものがいろいろ。もちろん、ピーポくんのぬいぐるみやキャラクターグッズもあります。
「あれ、欲しいぃ
」彼女が買ったのは、なんと警察手帳。
本物そっくり・・・といっても、キーホルダーになっているミニチュアだけど。
二人して笑ったのは、マル機くんグッズ。なんと、機動隊のマスコット。「団塊の世代の人たちは、許せんなんて言うかもね」と爆笑。これも警視庁でしか買えないレアグッズ。
「ふーん、警視庁も見学できんねんなあ。今度、行こ。まだ、行ってないやろ。な、な。」
警察博物館・・・銀座通りを東に歩いていくと、首都高速の高架にぶつかる。そこにある。イナックスの手前。入場料は無料。
ちなみに警視庁の見学は、前日までに申し込みが必要なので、ぶらりと行っても入れてはくれない。警視庁関係だと、ほかに交通管制センターも見学できるが、こちらも前日までに申し込みが必要。
いずれにしても、東京土産としては、かなりレアなものが手に入るのは、間違いない。
ちなみに警察官と白バイ隊員の制服を着ることができる「なりきり体験」は、身長140センチくらいまでなら可能らしい(笑)ただし、大人でも着てよいかどうかは未確認。なお、機動隊の制服はない。
2005年10月23日
ふるほんや〜中央線シリーズ
中央線が、いまちょっとしたブームだ。
中央線をテーマにした小説や、CDや、ガイドブックなどが数年前から次々だされている。
中央線といっても、人気のエリアは、だいたい中野から、吉祥寺までの間だろうか。
居心地のよい喫茶店や、居酒屋や、古本屋や、雑貨屋などが、そこここにある。下北沢のようにぐしゃっと狭いエリアに集まっているという訳ではないのだけど、「おや、こんなところに」というような具合で、個性的な店がこっそりあったりするのが、中央線沿線だ。
「ごめんね、今日、急に仕事が入っちゃったんだ。」
そう彼女は言って、スーツに身を固めて出て行った。
秋の日曜の昼下がり、何をするとでもなくぶらぶら散歩する。ごろごろしているのもいいのだが、秋の明るい日差しと心地よい風が、部屋にいるのを許してくれそうに無い。しかし、人込みに行くのは嫌だ。
中央線沿線はそういう時にぴったりだ。商店街を歩いたり、ちょっと横道にそれてみたり。かっこいいお屋敷ありの、住んでいるんだかどうかという古家ありの、古色蒼然たる正統派アパートありの、裏道も楽しい。
で、ふらふら歩いていて、商店街に素敵な古本屋を見つけた。なんだか本好きの友達の家に遊びに来たような感じ。雑貨とかもあるんだけど、いわゆる今風のおしゃれなカフェというのとも違う。やっぱり、ちょっと何かこだわった友達の家に来ましたという感じ。
ちゃぶ台があって、番台の上にはノートパソコンがあって、うちにも昔あったアラジンのストーブがあって、奥の本棚を覗き込んでいたら、「どうぞ、上がって見てください」と、今日の店長さんであるかわいい女性に言われてしまって、ちょっとうれしかったりして。
古本屋や喫茶店というのは、実は、やってみたい職業No.1ではないかと思う。やってみたいは、やってみたいが、果たして自分の好きなあのまったりした雰囲気で、どれくらい実入りがあるのか・・・平たく言えば食っていけるのか・・・そう考える人は多いだろう。
「はじめは土日だけでしたが、お客さんの中から立候補した方々に日替わり店長としてお手伝いしてもらうことになり、今は週7日」(チラシより)
こういうのって、いいよなあ。
並んでいる本も、なかなか個性的。ふーん、とかへーとか思いながら、眺めていて、眼が留まったのは、昔のマッチのラベル。デザインがおもしろくて、思わず、買ってしまいました。
元我堂・・・JR中央線「阿佐ヶ谷駅」より約10分程度。「阿佐ヶ谷駅」は、土日、中央線快速は止まらないので注意。新宿方面からなら中野駅で各駅(総武・東西線)に乗り換える。
古本屋というと、なんとなく時代から取り残されて次々、廃業しているようなイメージがあるが、最近、若い人たちが個性的な店作りで開業するのが増えているようだ。空き店舗が多くなっている商店街とか、ちょっと住宅地に入ったところとか、今までの古めかしい入りにくい古書店、古本屋とは、ちょっと違った雰囲気は、楽しい。2005年10月21日
都心の釣堀〜市ヶ谷
「ねえ、ああいうところで釣りするって、楽しいのかなあ。」
「そうだね、釣りが好きな人にとっては、楽しいんじゃないのかな。」
「でもね、平日にスーツ姿で釣っている人もいるわよね。」
「ああ、雨でもレインコート着て釣ってる。」
中央線の市ヶ谷駅に電車が止まると、窓の外に釣堀が見える。いつ見ても、誰かが釣りをしている。
彼女は、東京の本社に転勤が決まったが、元気がなかった。
「三十になるまでに、地方の支店できちんとした仕事をプランニングして、業績上げるのが夢だったの。そして、東京に戻る。結局、私、これといって、自分の仕事ですって言えるのがないままに、戻ってきちゃった。」
そんな話をしながら、電車に乗っていた。
「そうそう、俺の上司がさ、言うわけ。サボるのはいいけど、市ヶ谷の釣堀だけは駄目だぞって。ここってさ、こうやって、電車乗って、外をぼんやり眺めるわけさ、みんな。でね、釣堀にさ、知っている奴がいたら、びっくりするさね。」
「そうねえ、自分の上司が釣り糸たれていたら、ちょっと悲しいかもね(笑)」
「でもさ、ちょっとやってみたい気もする。」
「スーツをビシッと着て、肩をすぼめて、釣り糸たれるの。ああ、哀愁があって、いいかも。」
「若い女の子にもてるかな?」
「んなわけ、ないでしょ。相変わらず馬鹿ね。」
「ねえ、今度の休みの日には、釣堀行こうか。」
「いいわよ、でも負けないわよ。」
「まったあ、負けず嫌いなんだから。」
「悪かったわね。」
「お、ちょっと元気出てきた?」
「まーあね。」
東京って、結構、不思議な街で、釣堀とか、ボート乗り場とかが点在してます。あちこち、ひたすら歩き回るのも、忙しい東京の待ち歩きっぽいかも知れませんが、東京人に混じって、釣堀で釣り糸たれるのも、なかなか風情があって、いいかも。ただし、後日、知人に「なあなあ、お前、この間、東京で釣りしてへんかったかぁ? 会社クビになったんかぁ?」と聞かれるかも知れませんが・・・なお、写真は総武線の車内から撮影したものです。こんなに近くに見えますから

市ヶ谷フィッシュセンター
2005年10月19日
神楽坂でランチ
雨の日曜日。
せっかく久々のデートなのに、雨。
と言っても、小雨で降ったりやんだり。
彼女は、拡げかけた折りたたみの傘をバッグに戻す。
「せっかくだし、入れてもーらおっと」
照れたように笑って、腕を絡ませる。
神楽坂は、最近、にぎやかになってきた。
二人が知り合った頃から比べると、おしゃれな店も増えたし、
なにより路地の奥の方にレストランやビストロや、気の利いた
店がずいぶんとできた。
「雨だけど、人多いね。」
にぎやかになって、人が増えたと言っても、そこは神楽坂。新宿や、渋谷とは、雰囲気が違う。
路地を入って、ギャラリーを見たり、お屋敷を眺めたり。
「この辺で、私、昔から憧れているのよ。落ち着いた雰囲気だし、路地を抜ければ、にぎやかな神楽坂だし。」
「東京って、坂が多くて、それが街の雰囲気を作っているよね。」
「ほら、あそこの家、坂に面して狭いのにかっこよくしてあるわよね。」
「ねえ、もう少し稼げるようになったら、ここら辺に住もうかな。どう、一緒に。」
「もう少し? 足りる? あてにしないで待っているわ(笑)」
イタリアンか、フレンチで、悩んだすえに、遅いランチは、フレンチに。
路地を少し入ったところにあったメゾン・ド・ラ・ブルゴーニュ。湾曲した路地に面して、テラス席があって、そこからの眺めは、パリのビストロに座っているような気持ちにさせてくれる。
「仔羊のラグー・パスタ添え」か、「アイナメのポワレ」。
「一つずつにしましょうよ。」
「いいね。」
よく冷えた白ワイン。
雨音が聞こえる。ウェイターがフランス語で話す声。
客の楽しげな話し声。
静かだ。
ほんの少し通りから入っただけなのに、車の音もしない。
寒くもなく、暑くもなく、昼下がりの日曜ののんびりした時間。
神楽坂は、もともと黒塀に芸者さんの町だった。今も、そうした名残を感じさせる老舗も残っている。一方で、東京理科大や法政大などが近いこともあって、学生たちの町でもある。気軽に入れる居酒屋や定食屋なども数多い。最近、路地を入ったところに、フレンチやイタリアンなどの店が増えている。比較的若いシェフがやっている場合が多いので、店の雰囲気にも元気がある。町全体には、落ち着いた空気が流れているが、澄ました感じではなく、入りやすい感じの店が多い。
Maison de la Bourgogne(メゾン・ド・ラ・ブルゴーニュ)今回はランチをゆっくり楽しませていただきました。ブルゴーニュ・ワインの品揃えはかなりのもの。今度は、夜に行ってみたいお店でした。2005年10月15日
観覧車 〜 お台場
お台場って、大きな遊園地みたいだと彼女が言った。
「だって、乗り物からしてそうじゃない? ゆりかもめなんてさ、なんだか昔、遊園地で乗った子供モノレールみたいだし。ぐるぐる回って橋を渡ったり、なんだかずいぶん遠回りして走っていくし。」
確かにね。
ヴィーナスフォートとかも、そうだよな。期間限定とか言っているし、なかは遊園地そのものだよな。
「私ね、東京の中でもお台場って、結構、好きかな。そういうと笑う人いるんだよね。フジテレビなんかの影響かな、ちょっと軽い感じで見られているでしょ。」
そうだよな。でも、実際には、そういうのは一面で、国際展示場ではビジネス系の展示とかがあって、そういう時は、おじさんばっかだものな、ゆりかもめ。
「そう、それに団地もある。高級ホテルもある。倉庫なんかもあるわよね。いろいろなものが、まるで模型をおいたみたいにあるでしょ。そして、空が広い。東京で、こんなに空が見えるところも少ないかもね。」
僕はね、お台場から水上バスに乗るのが好きだな。運河から見るお台場は、映画にでてくる未来都市のセットそのものだから。
「私は、観覧車。ゆっくり上がっていって、東京の夜景がだんだん見えてくる。ああ、ああいうところでいつも働いているんだな、歩いているんだなって思うんだ、いつも。」
そうだよな。あんなにたくさんのビルがあって、たくさんの明かりが瞬いていて、いろんな人生があるんだろうなんて、柄にもなく思ったりして。
「私たちが一緒に暮らす部屋も、きっとあの明かりの中に一つくらいあるかなっ、なんて。あ、ほらほら一番高いところにきたよ。」
えっ。
「東京でデートして、これで東京湾の観覧車は、全部制覇したんだ、私。みんな、あなたと一緒だよ。どれも良かったなあ。ディズニーランドが見える葛西のやつも、みなとみらいのやつも、みーんな。上から見下ろすのもいいけど、あそこのホテルとかもいいなあ!」
あはは・・・あそこって、結構、高いし、混んでるんだよなあ。泊まるの。
「ばかっ! 泊まるんじゃなくって・・・・。いじわる
」
お台場パレットタウン大観覧車お台場の中心にそびえる大観覧車。夜は、東京の夜景が一望できる。お台場で遊びつかれ、食事もすんで、まったりしたいときにはお勧め。昼間よりも、夜の方がすいているので、カップルにはいいかも。
新木場・葛西臨海公園ダイヤと花の大観覧車一瞬、ディズニーランドに観覧車ができたかと思うくらい。でも、この観覧車のある葛西臨海公園は、かなりお勧め。かなり穴場です。特に葛西臨海水族園は、上野公園にあった水族館が移転拡大したものですが、東京湾の眺めもあって、デートスポットとしてはかなりの高得点。ここの観覧車は、夜のライトアップがかなりの見所。ほかのところと違って、周囲に高層ビルなどが無い分、東京湾全体が見渡せるところが魅力的。
横浜みなとみらいコスモクロック21みなとみらいにある大観覧車。ここはちょっとした遊園地になっていて、高層ビルと港に囲まれてロマンチックな雰囲気。中華街でディナーを終えて、ちょっと一服というときには、最高。 2005年10月14日
新宿歴史博物館 〜 オタクも満足 〜
とはいっても、2時間程度。なにします?
『えー? わたし、すっぽかされたすることないもん。』
僕は、どちらかというとミュージアム・フリークなので、資料館とか美術館とか入っちゃうんです。
『ふーん。私は、もしそうだったら、お茶してるかな。』
でも、県立とかそういう大きなものじゃなくて、小さいやつって、なんだかかび臭い空気がどんよりよどんでいて、何年も前に並べただけという感じのところが多いですよね。
『だから、あんまり知らないってば。ま、でも、そういうイメージはあるわよね。』
いや、もちろん、最近は立派なところもありますけど。そうすると、今度はどうも広告代理店だがコンサルタント会社が張り切ったのかなんなのか、作り物ばかりで書かれている説明も、分かりやすいけど、奥行きがなっかたりね。
『・・・・』
あ、でもね、ここはおもしろいですよ。ほら、入り口のところにあるのは、小田急ロマンスカーNSEの運転席を再現したものですよ。知ってます? ロマンスカー、子供の頃憧れたんですよねえ。ほら、ほら、こうやって乗ることもできるんですよ。NSE、いいだなあ。
『えっと、あの
えっ
、写真撮るんですか?いいですけど。あ、私は、いいです。ええ。』でね、展示室に入っていくと、時代を追って、どう新宿が発展したかが分かるようになっているんですよ。特に、この中世から江戸時代の新宿。こんなんだったんですねえ。模型とか実物とかで、楽しいいですよねえ。
『あ
江戸時代のお店屋さんのところにネコちゃんが
』それにここの目玉はなんといっても、昭和初期の新宿を立体的に展示しているところなんですよ。都電の実物大復元模型とか、昭和初期の文化住宅の復元とか。厳密にマニアの視点からいいますとね、この都電も模型にはちょっと異議があるんですけどね・・・・
『へえ、結構おしゃれよねえ。それにガスなんだ。なんだか、懐かしい感じ。』
華やかだった昭和初期の新宿。ムーランルージュ。ああ、この頃に新宿を歩いて見たかったなあ。小田急も京王も地上に駅があって、駅前には都電があった。
『今とそんなに変わらないって言うか、今よりかっこいいかも。すごくない
』
新宿歴史博物館 ■開館時間■9:30〜17:30(入館は17:00まで)■休館日■ 月曜日(祝日の場合は翌日)年末年始(12/29〜1/3) ■観覧料■常設展示 一般300円(特別展は、別途)■アクセス■JR・東京メトロ丸の内線・南北線「四ッ谷駅」下車 徒歩10分東京メトロ丸の内線「四谷三丁目駅」下車 徒歩8分
都営地下鉄新宿線「曙橋駅」下車 徒歩8分
ここの博物館は、規模はそう大きくはないが、展示などはかなりマニアック。ミュージアム・フリークから、そうでもない人まで充分に楽しめる。新宿というところは、新宿駅周辺と高層ビル街のイメージが強いが、歴史的にも古いものを持っているし、「なるほど」と再発見することも多い。博物館的には、かなりお勧め。展示物の中に、なぜかネコのぬいぐるみが。探してみてください。
2005年10月08日
GINZA5 〜 銀座アンティークストリート?
銀座マリオンの前、数寄屋橋の頭上には高速道路がある。きっと多くの人が、気にせずにその下をくぐって銀座方面に行ってしまう。
この高速道路、実は日本で初めて建設された道路の下をショッピング・モールにして、その収益で通行料を無料にしたもの。
昭和34年に建設されたもので、当時は銀座の通りを一望にできるというので、多くの人が道路上に上がって問題になったらしい

現在、この場所にはGINZA5(旧称・数寄屋橋ショッピングセンター)がある。
ここには、1975年に開設され、写真家にはあこがれの富士フォトサロンがある。第一級の写真家から、趣味の写真グループまで、様々な展示会が行われている。
そして、GINZA5の二階は、アンティークの店が軒を連ねていて、見て歩くだけでもおもしろい。和モノから洋モノまで、いろいろ。今風のおしゃれなアンティークショップとはいかないけれど、この怪しげな雰囲気がまた銀座らしく、アンティークぽくていいんだなあ。銀座という場所柄、外人さんたちが真剣に掘り出しモノを探していたりして、独特の雰囲気。
渋谷や青山もいいけど、銀座のアンティーク・ストリート?も、なかなか捨てがたい!
時折、「ああ、こうしている今も、頭の上をトラックだの、乗用車だのが高速で通過していっているんだなあ」なんて、思うのもまた、味わい深い
2005年10月08日
失われ行くものを見る〜日比谷・三信ビル
東京は、バブル時代以上に大きく変わっている。
東京は、江戸から東京に変わった時。
関東大震災。
第二次世界大戦の大空襲。
1964年の東京オリンピック。
1980年代のバブル景気。
そして、今。
時々で姿を大きく変えてきた。
江戸時代の古地図を片手に東京の街を散歩するのがブームになっていて、本屋にはそれに関する本が積まれている。
でも、そこまで古くなくとも、東京の風景は今も大きく変わっている。帝国ホテル周辺のビルも、ここ数年で建て替えが進んでいる。客室の窓からも、何本もクレーンが見える。
帝国ホテルのすぐそばの三信ビルも、もうすぐ建て替えが計画されている。すでにテナントの撤退が始まってしまっていて、それが逆に静謐か空間を生み出している。
営業している店舗のどれもが小さいながらも個性的な店ばかりで、どうしてこの街で働いている時に、もっと通わなかったのだろうと後悔してしまう。
新しく開発された地区も、魅力的で活気あふれているが、一方でどこも同じような空気に満たされてしまっていることに気が付いている自分がいる。
自分の生まれる前からあるビルで、ランチを食べ、お茶を飲み、語らうことは、少し違った感動を与えてくれる。もしかしたら、父が、祖父が、あるいは有名な作家や写真家がそこにいたかも知れぬという想いが、もうすぐ失われてしまうこの場所と空気を、ことさら感慨深いものにしてくれるのだ。
日比谷・三信ビル・・・一階と地階の店舗街は自由に入ることができます。ただ、ビル内に写真撮影などでテナントに迷惑をかける行為をしないようにとの掲出が出ておりました。その点は、良識をもって判断ください。
また、現在、この三信ビル保存プロジェクトも出ているようです。Romance Carも、保存できたらいいなあと思います。


残念ながら、三信ビルは2007年3月30日に全館退去、閉鎖され、同年10月に解体されました。
2005年10月06日
東京の不思議〜鯛焼き屋
「もしもし、なにか連絡ありますか?」
「あ、T君、ご苦労さま。A社から、連絡を欲しいと電話がありました。ほかは特にありません。」
「どもども。えっと、今、四谷なんですけど、鯛焼き、何匹いります?」
「ちょっと待ってね、いま確認します
」「もしもし」
「あ、ぶ、部長
」「どうして、四谷なんかにいるのかなあ、代理店ないはずなのに。ま、いいや、俺は二匹な。」
「承知仕りました。」
営業マンをやっていた頃の部長は、同じ大学の出身者で、なおかつ甘党だった。
店の中で、お茶をすすりながら、店先を眺めていると、昔の自分と同じようなことをしている人たちが、次々いてうれしくなる。40個、50個という数を平然と注文して、紙袋を大切そうに抱えていく。
向かいのテーブルでは、わが後輩にあたるであろう男子学生4人が、鯛焼きをかじりながら、学園祭の計画を練っている。しかし、彼らの口から出てくるのは、「いやー、久々においしい鯛焼きだよ」「俺さ、昨日も鯛焼き食ったの、でもさ、家帰る途中の駅の売店のやつでさあ、あんこがだめよ、だめ」という会話

ところで、都内には、ここだけではなく、何軒も「鯛焼き屋」があります。関西から来た友人を連れて行くと、例外なく驚くのです。なぜなら、関西では「鯛焼き」というと、屋台か、あるいはせいぜいスーパーなどのフードコートに入っている感じだから。
一軒の店で、鯛焼きだけ。というのは、大阪ではなかなか見ません。不思議ですよねえ。
さて、四谷の「わかば」の鯛焼き。尻尾まで、しっかりあんこが入っていて、外はさっくり。冷めても、充分においしいです。
鯛焼きは、やっぱり秋から冬の食べ物という感じがします。久々に、おいしい鯛焼きを食べて、幸せ。
東京名物四谷たいやき「わかば」 2005年10月06日
岡本太郎作「若い時計台」
銀座、有楽町とくれば、数寄屋橋なんだけど、数寄屋橋は今は、もうない。僕らは、数寄屋橋が橋ではなくて、石碑になってしまってからしか知らない。
数寄屋橋のあったところに立つと、強烈な印象を持って迎えてくれるのが、この岡本太郎作の「若い時計台」だ。1966年、つまり千里万博よりも前に作られている。
作られてから、すでに40年。周囲の風景は、きっとものすごいスピードで変化しているはずなのだが、まったく古いという感じを与えない。むしろ、まだ尖がっている。
美術館に飾られているのではなく、こんな大都会の真ん中で、すっくと立ち上がって自己主張できている作品を作ってしまった岡本太郎という人間を尊敬する。素直に。
2005年10月06日
帝国ホテル(5)〜窓の外
帝国ホテルの上層階から見た日比谷公園側。
右手に広がる緑と、その中に見える薄い緑の屋根。これが皇居です。左手前は、日比谷公園。
社会人になりたての頃、日比谷である外資系企業に働いていた。オフィスからはこれと同じ角度で、もう少し低い位置からの景色が窓の外に広がってた。
ある日のこと、皇居にお住まいだったやんごとなき方のお一人がご結婚された。
オフィスで働く僕らは、みんな、とても気になっていたのだ。なぜなら、皇居からすぐ前の交差点に、式を終えられたロイヤル・カップルがちょっとした車列を作って走ってくるのだから。
しかし、最悪なことに、小うるさい部長は、そういったことが大嫌いで、「いいかね、窓際にスタッフがずらりと並んで、ぼんやり眺めているなんぞ、許されるわけがないのだ」と僕らに釘を刺していた。
オフィスは、いつもの通り、静かに一日が過ぎていった。
と、一番眺めの良いところに設えてある支配人室から、顔を上気させて、満面の笑顔で支配人が飛び出してきた。
そして、きょとんとした顔で、窓の外を指差し、大きな声を上げたのだ。
「君たちは、関心がないのかね
」僕らは、わっと席を立ち上がり、窓のほうに走っていった。ちょうど黒塗りの車が車列をつくり、二重橋から目の前の交差点を曲がって、桜田門の方に向かっていった。
今、窓の外に見えているのは、その時よりも少しだけ高い。目の前には、日比谷公園がある。
外資系企業で、先輩社員ばかりの中で数少ない新卒だった自分は、毎日、千円もするランチを食べに行く先輩たちに付いていけず、こっそりお昼になると日比谷公園を抜け、官庁の地下の食堂に通ったものだった。
運が良いと、大学時代の先輩が昼食に誘ってくれて、そういう時は、日比谷公園の中にある松本楼に連れて行ってくれたりした。歴史の教科書にも出てくるレストランは、日露戦争の日比谷焼き討ち事件や、2.26事件といった歴史の舞台にも、登場する。有楽町というと、どうしても足は銀座、築地の方に向いてしまうが、こちらもなかなかのものだ。
日比谷公園は、時折、演奏会がランチタイムに開かれていたりするし、木々がうっそうと茂っていて、散歩をするにも良い場所だ。霞ヶ関や日比谷に働く若い男性にとって、憧れは、丸の内OLの彼女ができて、ランチタイムに待ち合わせ、彼女のお手製のお弁当を一緒に公園で食べることだ。もちろん、相当、ラッキーでないと、そういうことにはならないけど。
写真の左上のビルは、いわゆる霞ヶ関の官庁街。その間に、分かるだろうか、レンガ造りの建物が少しだけ見えるはず。これは、法務省の旧館。堂々としたこの建物は、ポスターやファッション雑誌の背景などにも使われる。1895年(明治28年)建築の重要文化財。正面には、いかめしく守衛が立っているから、近づきにくい感じだが、中に法務史料展示室というのが設けられており、一般でも内部を見学できる。
2005年10月03日
帝国ホテル(4)〜客室から
新幹線って、本当に長い。東京駅に発着する新幹線が、ゆっくりと眼下を通り過ぎていきます。
「こんな風に見えているものなんだ。」
有楽町界隈が眼下に広がります。
客室の窓から見える風景も、宿泊客にとっては重要なもの。
社会人に成り立ての頃、あのビルで働き、この街を歩いていたのだと思って眺めると、また感慨もひとしお。
ソファに座り、暖かい紅茶を入れて、忙しく上下する電車を眺めながら、くつろぐ最高のひととき。
写真中央に見えるのがJR有楽町駅。右の白いビルが、銀座マリオン。左下の白いビルは、日比谷シャンテ。左手奥が東京駅になります。 2005年10月02日
帝国ホテル(3)〜デザイン
ホテルやバーのコースターを集めている。
小さな円の中に、どのように自分たちの個性を表現するか。これは結構、難しい作業だろう。
客室のコースターは、ホテル全体のシンボルマークがデザインされている。一方、メインバーの「オールドインペリアルバー」は、旧本館のデザインを施してある。
皿のデザインも、実は旧本館の設計者であるフランク・ロイド・ライトによるものだ。鮮やかな色と幾何学模様は、充分に現代でも通用する。
バーについても書いたが、ホテル全体が落ち着いた上質な雰囲気だ。客室も、同様。中には、そのあまりのシンプルさに驚く人もいるようだが、客室もバスルームもミニバーやクローゼットに至るまで、微妙なバランスを保って、独特の雰囲気を維持しているところが帝国の帝国である点だろう。
どこと言って派手さもないこの二つのコースターたちも、増えてきたコレクションの中に混ぜても、決して埋もれてしまわない個性的なデザインだ。
2005年10月02日
帝国ホテル(2)〜インペリアル70
帝国ホテルの旧本館は、現在、明治村に保存されている。
設計したのは、フランク・ロイド・ライト。1920年代の彼の設計は、今なお、多くの人たちを魅了している。
その旧本館は、もちろんここには残っていない。現在の本館は、1970年に新たに建てられたものだ。
「ライト館」と呼ばれた旧本館の雰囲気を味わうなら、メインバー「オールドインペリアルバー」に行くしかないのだ。入口の大谷石や、壁のテラコッタは、1920年代そのままに再現されている。
メインバーは、静けさの中に活気があふれている。笑い声、グラスの触れあう音、話し声・・・・
テーブル席に着いて、しばらくするとボーイがやってきた。
「カウンター席が空きましたが、どうなさいますか?」
カウンターの上には、それぞれの席の上にスポットライトが落ちている。まるで舞台の上のように。
カウンターの中では、バーテンダーたちが忙しく立ち回っている。
せっかくなので、オリジナル・カクテルを。
今回は、インペリアル70。
そして、夜食のクラブ・サンドウィッチ。
忙しかった一日が終わって、ほっとするひととき。
ここのバーは、シングルモルトのラインナップが評判だったことを、並べられたボトルを、ぼんやり眺めていて、思い出した。
モルト・ウィスキーを一杯。
「ストレートで、よろしいですね。」
ホテルのロビーが顔であり、メインダイニングが表向きの社交辞令だとすれば、バーは個性が強くでる部分だ。自分には少し背伸びをしなくてはと感じられたとしても、訪ねておいて損はない。
ここは、さすがに帝国ホテルのメインバーだけのことはある。ただし、華美な最近の外資系ホテルのインテリアと、いわゆるフレンドリーでエンターテーメント好きなバーテンダーがいてこそ、ホテルのバーだと思っている人には、恐らく物足りないと感じるだろう。
ここは、シックで、無駄のないインテリアは、上質な雰囲気を雰囲気を醸しだしているし、バーテンダーたちは控え目にしか接してこない。その雰囲気を楽しめるようになるまで、背伸びを続けることも、大人になる楽しみかも知れない。
そうそう、ホテルのバーは、宿泊しなくても楽しむことができる。しかし、宿泊しなければ、できないことが一つだけある。それは、「これで」とチェックの時に、ルームキーを渡すことだ。小さな虚栄心だ。だが、しかし、この虚栄心が大切な時があってもいい。
メインバー 「オールドインペリアルバー」帝国ホテル東京本館中2階
営業時間 11:30〜24:00
2005年10月02日
帝国ホテル(1)〜行ってきました
帝国ホテル、泊まってきました。
東京駅で新幹線を降り、丸の内中央口へ。
クラッシクな東京駅の正面から、タクシーに乗り込み、
「帝国へ。」
東京駅から丸の内を抜け、皇居のお堀を右手に、
オフィス街や帝国劇場を左手に見ながら、一路、帝国ホテルへ。
帝国ホテルの正面にタクシーは滑り込み、ドアボーイの挨拶を受けます。
一歩、踏み込むとそこが帝国ホテル。
都内のいろいろなホテルを知っていますが、やはり空気が違います。本館は1970年築。すでに30年が経っている訳ですが、逆にその時間が深みを増しているかに思えます。
ここのところ、新しい高級ホテルが次々に建てられていますが、決して真似ることができないものが、「歴史」とそこから醸し出される「空気」でしょう。
華やいだ雰囲気のロビーと、落ち着いた雰囲気のショッピングモール。
押しつけがましくなく、丁重なフロント。てきぱきと多くのスタッフが動きながら、ざわつかず、にこやかな対応は思わず見とれてしまう。
全てがなにか一種の「空気」に支配されている。
帝国ホテルに泊まるのなら、この「空気」を創り出している「歴史」を知っておくと、より滞在を楽しめるでしょう。その一番のテキストが、『帝国ホテル 写真で見る歩み(IMPERIAL HOTEL A Legend in Pictures.)』
客室のテーブルの上にさりげなく置かれている。上品なブルーの表紙で、ともすると利用案内か何かと思って、気が付かないかも知れない。
開業から115年になる帝国ホテルの貴重な写真やエピソードなどが綴られている。そんな中には、歴史上の著名人はもちろん、マリリン・モンローが「寝るときに着るのは、何?」と聞かれて、「シャネルの5番」と答えたのが、このホテルだということも。
写真や資料も多く、歴史だけではなく、建築やデザイン、写真に興味がある人たちにとっても、非常に関心がある一冊だろう。この、『帝国ホテル 写真で見る歩み(IMPERIAL HOTEL A Legend in Pictures.)』、宿泊者限定で購入することができる。三千円を越す価格は、少し勇気がいるが、大抵のアメニティが売店で購入できるのに比べると、自分への「記念品」としてもかなり魅力的だ。
タワー棟の客室から、丸の内と東京駅方面の夜景を楽しみながら、この本を眺め、少し落ち着いてから、今回、どうしても行きたかったところに向かった。時間の関係で、レストランの開いている時間に間に合わなかったのが少し残念だが、帝国ホテルの中で行っておきたかったところは、大丈夫、今からでも充分、間に合う。そこは、メインバー・・・

2005年09月22日
岡本太郎記念館
表参道界隈は、不思議な街だと思う。
最先端のファッションが軒を連ねる表通り。
その通りを入っていくと、まるで迷路のように入り組んだ住宅地。
昔から多くの芸術家や小説家を魅きつけてきた街。
デートで、なんだかどこに行けばよいのか、思いつかない時ってありませんか。なんとなく二人で、のんびりとただ歩きたい時。そんな時には、この界隈は最適かも。
人ごみに流されるのも、おしゃれなブティックを冷やかすのも、人に疲れて静かなカフェでのんびりするのも、そしてどこに移動するのも交通手段がそろっている・・・
待ち合わせは、表参道交差点の青山アンデルセン。
スパイラルは、とんがったアートの展示場というイメージが強いが、二階のスパラル・マーケットは、なかなか実用的で欲しくなるものがたくさん。
さあて、ここからどこへ行くか。
クレヨンハウスを覗いて、童心に返るもいいし、ゆっくり時間をかけてリストランテ・ポルトゥーナでイタリアンのランチを楽しむというのも悪くない。
それとも根津美術館もいいかも。根津美術館の交差点の前のある高級マンション。どんな人が住んでいるのだろうかと、いつも眺めてため息をついてしまうけど。
この辺りを散歩していて、いつも足が向くのが岡本太郎記念館。イデーや、ブルーノート、パパスカフェと、華やかな雰囲気の周辺から、少し切り離されたような雰囲気。
ここは岡本太郎の自宅兼アトリエだったところです。ですから、帰りに忘れずに、今は裏口のようになっているところを、そっと覗いてみてください。そこが、もともとの玄関なのです。
庭に雑然と置かれたオブジェの数々。「よお!」と声をかけられそうな蝋人形。作品だけではなく、その作者の生活の場を見るというのは、なにか不思議な感じがします。
記念館の入り口には、小さなカフェもあり、ゆっくりくつろぐことができます。ショップで、なぜか買ってしまった岡本太郎の人生相談本なんか、読んでいたり。
ところで、ここは「岡本太郎記念館」ですが、もし、岡本太郎ファンなら、もう一つ、川崎市立「岡本太郎美術館」も必須。こちらは、新宿から小田急電鉄の急行で約20分。向ヶ丘遊園駅で下車、徒歩約20分です。表参道からなら、地下鉄千代田線が小田急線に乗り入れているので、記念館を見た後一気に美術館へというコースも考えられます。
こちらは、ぐっと美術館。でも、記念館と美術館、両方を見て、そして大阪に戻って、太陽の塔を見ると、感激具合が違います。
2005年09月22日
東京限定〜東急バスチョロQ

「渋谷駅のモヤイ像でね。」
渋谷駅って、人が多くてやなんだよなあ。
俺は、うろ覚えながら、東京通を自認している以上、間違っても「モヤイ像って、どこだったけ?」なんて、メールを返すわけにはいかない。
JRを降りて、改札を抜け、東急百貨店を抜けて、おっとここはハチ公前じゃないか。といっても、人だかりがすごくて、ハチ公なんか見えやしない。よく考えてみると、何度もハチ公前で待ち合わせっていうのがあったけど、じっくりハチ公を見たことなんかなかったなあ・・・
ハチ公の奥を、どうにかしたらモヤイ像があったはず。だいたい渋谷駅つうのは出口がやたら多くて、一度間違えて行っちゃうと、次も間違えたまま行っちゃうんだよなあ。
結局、東急井の頭線のガードをくぐってっと、(お、だいたいこの辺だったぞ)と思ったとき、ふと眼に留まったのが東急バスの窓口。



「なにそれー、まった買ったのぉ?」
彼女は、目ざとくそれを見つけて、笑った。
「子供みたいねえ。あの仕事場、もういっぱいじゃないのチョロQで。」
「まあな。」
「それってさ、おもちゃやで売ってないの。」
「そうそう、そうなんだよ。こういうのってね限定販売で、それぞれのバス会社でしか売っていないんだよなあ。」
「あらあら、それはおめでとう。」
彼女は、けらけら笑いながら、東急バスをきゅーと後ろにひっぱり手を離す。バスは、カウンターの白木の上を、思いっきり走り出す。
隣のカップルの女性が驚いた顔をする。
連れの男性が、さっと手を出してバスを押さえる。
「おっと。」
「すみません。」
彼女が舌を出す。
「すっごく走るのね。」
「へえ、どこで売ってたんですか
いいなあこれ。」スーツをきっちり着た男性が、笑いながら手の中の東急バスをしげしげと眺める。



「男の人って、本当に子供ですよねえ。」
「ホント。私たち女性は、無駄使いばかりするって言うくせにねえ。」
「そうそう、こんなおもちゃばっかり買うのよねえ。」
女たちが、笑いながら話す。
「いや、そういわれると立場ないなあ。僕もね、ついつい買っちゃうんですよねえ。いや、バスじゃないですけど。」
それまで黙っていた若いバーテンダーが言う。
「えーっ! 意外っ! 何を集めているんですか。家にいっぱいあるとか。」
「まさか、ほら、美少女のフィギィアとか!」



カウンターの上で、渋谷駅行きの東急バスは、ライトの光を浴びてきらきら光っている。
なかなかかっこいいじゃんかよ。
東急バス・オリジナルチョロQチョロQ以外にも、いろんなオリジナルグッズが売られていました。もちろん、ハチ公バスのもありましたよ。ちょっとしたおみやげにもいいかも。
ちなみに、「イースター島のモアイ像、じゃなあいのぉ?」と思った人。いやー実は、私も、久々に像をしげしげと眺めて、「モアイ像に似てないやん」と思ったのですが、それは勘違いでした。実は、「モヤイ像」
「モヤイ」と言う言葉は、伊豆七島新島の方言で「力を合わせる」という意味。この像は、昭和55年に新島観光協会が設置したもの。新島特産の坑火石を使用し、表には若者(アニイ)、裏には老人(インジイ)の顔が彫ってあるんだそうです。ちなみに重さ約2.5tもあります。今では、ハチ公と並んで、渋谷駅の待ち合わせの場所として、すっかりメジャーになっています。
ちなみに感覚的には、「ハチ公じゃなくて、モヤイ像の前でね」というのは、「阪急梅田駅のビッグマンの前は混むし、その階段上がった上のとこね」というのに似ているような。
2005年09月20日
新横浜
東京に行く。
当然のごとく、東京駅で降りる。最近は、品川駅で降りる。
でも、新横浜駅で降りるという選択肢もある。
「いやー、たくさん降りんなあ。」
よくそういう声が聞こえてくる。
そう、少し前、僕も新横浜駅で降りるのが習慣だった。改札口を出ると、いつも彼女が立っていた。
駅前のロータリーに、四輪駆動の青色の小さな車を止めて、僕を待っていた。
新横浜駅は、昔、岐阜羽島駅と並ぶくらい寂しい駅だった。ちょっとお茶を飲もうと言っても、喫茶店を見つけるのも大変だったくらいだ。
もちろん今では、選ぶのが大変なくらい喫茶店があるけど。
東京行きの新幹線に乗ると、沢山の人がこの駅で降り、消えていく。横浜からやってくるJR横浜線は、北へ向かい町田や八王子という東京のベットタウンと結んでいる。地下鉄は、やはり横浜から北東の港北ニュータウンに伸びている。
実は、新横浜駅は、観光客向けではない東京の西の玄関口なのだ。
帰りは、いつも少し早くに新横浜駅に着いてしまっていた。「渋滞するといけないから」と、慎重な彼女はいつも、少し早めに車を走らせたからだ。
新横浜ラーメン博物館、なんども「行ってみようか」と話したのだけど、結局、行かずじまいだった。いつも、行列ができていたからだ。もっとも、新横浜に着いた時に行けばいいのだが、久々に会ったうれしさから、いつもそのまま郊外へ車を走らせてしまったのだ。
東京の郊外をドライブするなら、新横浜駅で降りるのは妙案かもしれない。新横浜駅から横浜スタジアム方面に走れば、第二京浜道路の港北インターチェンジに突き当たる。ここから都内や横浜方面、さらに横浜横須賀道路に向かえば、三浦半島に向かうこともできる。
東京を車で走るなんて考えもしないかもしれない。でも、港北ニュータウンなんかには、人気のケーキショップが住宅地の中にひっそり、あったりする。
そう、少し前まではそうしてドライブをしていた。今は、もう改札口を出ても、待っている人はいない。
珍しく仕事で、僕は新横浜で新幹線を降りた。他のサラリーマンたちと同じように足早に地下鉄の階段を下りる。
いや、正確に言えば、少し立ち止まり、ロータリーに青い小さな四輪駆動車が止まっていないか探してしまったけど・・・
港北ニュータウンには、阪急百貨店(都筑阪急)があります。そして、関西人を連れて行くと、「うはぁ
」とたいてい、のけぞります。なぜなら、梅田のHEPと同じように
が乗っかっているからです。港北ニュータウンは、お金持ちが沢山住んでいるらしく、年末近くなると夜、各家が素晴らしいイルミネーションを見せてくれます。そんな、ちょっとハイソな街をドライブして、おいしいケーキを食べるというのも、東京らしいかもしれません。(実は、神奈川県ですけど・・)
2005年09月19日
おばあちゃんだけ?〜巣鴨
おばあちゃんの「原宿」と呼ばれる巣鴨。
でも、おばあちゃんだけに楽しませるのは、もったいない。


JR巣鴨駅を降りると迷うことはありません。
平日でも、沢山の人手。なんだかお祭りでもやっていそうな雰囲気がいつものこと。
先の場所の説明をしちゃいましょう。
山手線で、巣鴨駅に行きましょう。改札口を出れば、巣鴨地蔵通り商店街はすぐです。この商店街を、ずんずん進むと、右側にお堂があり、おばあちゃんたちが順番をまって、お地蔵様に水をかけて、ごしごしたわしで洗っています。痛い部分を洗うと、お地蔵様が治してくださるのです。
「なんや、どんなにでかいお寺があるのかと思ったら、えらい小ちゃいなあ」
そんな罰当たりなことを言ってはいけませんよ。
とげ抜き地蔵尊もお参りしたし、ここで引き返そうか・・
多くの人はそう思うようですが、それではもったいない。
そのまま、ずんずん進むと、そこは都電の電停「庚申塚」。
こういうサプライズがデートには必要でしょ。


「おばあちゃんの集まるところなんか行って、なにすんの?」
まあ、そう言わないで。
おばあちゃんたちは、結構、グルメです。そのおばあちゃんたちが集まる所ですから、甘味処から、蕎麦屋、寿司屋、居酒屋まで、なかなかなお店が集まっているのが、ここ巣鴨地蔵通り商店街なんです。
おせんべいや、おまんじゅうを買い食いするのも楽しいし、医療品なんかの安売り店を冷やかすのも結構、おもしろいです。
休日は、カメラをぶら下げたカップルが楽しそうに散歩しています。なんとなく、ほのぼのできる街なんです。
食事するのも、いろいろな店が選べます。路地の奥に名店が隠れたりしていて、おもしろい。ここでは、ガイドブックとかでしっかり下調べして、「ここの店!」という感じよりも、もっとゆるーく二人でぶらぶらして、「あそこ、なんやいっぱい人ならんでるで、おいしいんかなあ」という感じの方がお勧め。
そうそう、もし彼女が高齢者向けのビジネスとかに興味があれば、この巣鴨は勉強になる場所なんです。例えば、巣鴨駅から商店街に入るところにあるマクドナルド。ちょっと覗いてみてください。実は、ここ高齢者仕様の店。カウンターの商品説明も、おばあちゃんたちに分かりやすくカタカナ英語ではなくて、日本語で書いてあるんです。そのほかにも、高齢者向けのカラオケ店や不動産屋など、「なるほどなあ」なんて、二人で頷きながら、「こう来たか!」と笑いながらあるくには最適。


商店街を堪能したら、都電に乗りましょう。都内で最後に残った都電の路線。早稲田方面行きに乗り、大塚駅前で降りれば山手線に乗り換えられます。でも、きっとなんとなくもっと乗っていたくなるはず。その時は、東池袋四丁目まで乗って、ぶらりと歩いて池袋サンシャインに向かうのも一興。


きっと歩きながら、買い食いをして、お腹も一杯で、何となく二人してほのぼのした一日が過ごせること、間違いなし。


都電荒川線・・・都電で唯一残された路線。三ノ輪橋から、JR王子駅(京浜東北線)、庚申塚、JR大塚駅(山手線)を経由し、東池袋四丁目、面影橋までを約50分で走る。色々なドラマなどに登場するが、観光で行った場合は、正直言って使いたいところにはあまり走っていない。でも、東京の一断面を感じるには、乗ってみないとね。 2005年09月16日
横浜〜MM・・レンガ倉庫・・山下公園
港というのは、どこでも独特の雰囲気がある。
東京で、港というと、やっぱり横浜だろう。






関西から行くと、「神戸があるやん」という気持ちがどこかにあって、ちょっと横浜など軽視してしまうのかも知れない。中華街だってあるし、雰囲気も似ているし。そう、関西の人が鎌倉にあまり行かないし、行っても「なんやスケール小さいし、地味やな」と帰ってくるのと同じかも知れない。
夜景は、確かに背後に六甲山を抱えている神戸の方が好きかな。でも、スケールで見れば、横浜も負けていない。






横浜は、東京から思いのほか近い。新宿からは、新しくできた新宿湘南ラインで30分だし、渋谷からなら東急東横線がそのままみなとみらいや、中華街や山下公園まで乗せていってくれる。
羽田から伊丹へ飛ぶ飛行機の窓から、天気が良ければ、MMの独特の形をしたビルや、そのすぐそばに八景島を見ることができる。
横浜に行ったら、港の見える丘公園の周辺を散歩するのも良いが、横浜駅から、山下公園までを結ぶシーバスがお勧めだ。シーバスという名の通り、通勤にも利用されていて、便数も多く、料金も安くて、気軽に乗れる。
横浜駅前のそごうの中を通り抜けると、そこがもう港で、シーバスの乗り場だ。横浜駅から、みなとみらい、赤煉瓦倉庫を経由して、山下公園に向う。(直行便などのあります。)
みなとみらいは、高層ビルが立ち並び、ショッピングエリアは巨大な駅を連想させるようなスペース。外には、小さな遊園地がある。まるで移動遊園地のような雰囲気が、不思議とあっている。ここは昼間よりも夕方がお勧めかな。
赤煉瓦倉庫は、かつて映画やドラマの撮影によく使われていた本物の倉庫を改築したもの。外観は、倉庫そのままで、ヨーロッパのような雰囲気がする。中は、セレクトショップやレストラン、ギャラリーなどがある。
この赤煉瓦倉庫のすぐそばにあるのが、海上保安資料館横浜館。かまぼこ型の白い倉庫のような建物の中には、4年前に発生した海上保安庁との銃撃戦を引き起こした工作船が展示されている。銃弾や自爆のあとがある工作船を見ると、なんだか複雑な気分にさせられる。入り口には、海上保安庁のグッズが販売されていて、「海猿」ブームで人気が高いみたい。






赤煉瓦倉庫と山下公園の間は、シーバスに乗っても良いけれど、歩くのも楽しい。昔の貨物鉄道の高架部分が散策路になっていて、二人で歩くには最適。
高架部分を降りたところが、ちょうど大桟橋の入り口。大桟橋そのものは、未来的な建物で、ガラス張りのターミナルの屋上は芝が植えられて、丘のようになっている。その一方で、大桟橋の入り口附近には、古い建物が残っていてショップやレストランが並び、独特の雰囲気。雑貨品を売っているけれど、よく見ると、今でも外国人向けの家電製品をおいていたり・・






山下公園は、港の景観をゆっくり楽しむ場所。
すぐ前には、ホテル・ニューグランド。本館は、歴史を感じさせる重厚な雰囲気で、映画やドラマで戦前の設定だと、よく使われている。中華街で食事のあとに、ここのバー「シーガーディアンズII」に立ち寄るのがお勧め。
ところで、夕食は中華街でと、まあすぐに決まるのだけど、昼食何にしようかとなると結構、難しい。よくあるファミレスに行くのは芸がないしね。
お勧めは、山下公園前の県民ホール6階の「英一番館」。
「えーここぉ?」と入り口で言うだろうと思います。公共のあまりぱっとしない会館なんですねえ。そんなところの「食堂?」と思うのですが、騙されたと思って。
6階に上がると、ここもまた(笑) 大きな会議室があって、平日なんかだと、むさくるしい(失礼)おじさんたちが、うろうろしていたりしますが、気にしないで、「英一番館」に入りましょう。
入り口に入った時、きっとお勧めした理由が分かるはずです。正面に広がる横浜港。6階からさえぎるものはありませんから、最高の眺望です。
店内も落ち着いた雰囲気。ホテルのレストランといった雰囲気です。スタッフの対応も、非常に落ち着いています。
ランチは1000円程度ですが、それ以上の価値はあるでしょう。ゆっくり食事をして、珈琲を飲んで、港の景色を楽しめます。






東京そのものもいいですけど、ちょっとだけ足を伸ばして横浜というのも、これからのシーズンいいですよ。
横浜トリエンナーレ2005 2005年(平成17年)9月28日 水曜日〜12月18日 日曜日 ・・・・ すでに港周辺には、さまざまなオブジェが出現。なにやら楽しげ。

